• 特定非営利活動法人あんじゅうサポートクラブ

令和4年度 事例集

①相談概要  ② 回答、アドバイスなど  ③ その後

1.二度の脳梗塞で安全な住まいを探す高齢女性

① 最初の脳梗塞で右麻痺となったが何とか暮らすことはできていた。10年近く経って反対側が不全麻痺になり、階段を上ることはできなくなった。1階またはEV設置物件でなくては暮らしていけない。一人っ子で未婚のため身寄りはない。

② 友人が緊急連絡先となることを承諾。代理納付も引き受けてくださることになったため転居先探しを開始したところ、現住まいの1階に空きが出たことが判明。申し込んだ。

③ 2階から1階への移動だが費用が出ることがわかり、審査も通ったので転居決定となったが、リフォームが必要なため、数カ月後の引越しとなる。

2.精神障害申請中で生活保護受給のために家を探す40代女性

① ここ何年も不眠症。仕事は続かず、現在は引きこもり状態。通院し薬を服用しても一向に良くならない。生活保護を申請するには年金住まいの両親との別居が必要であるため、一人暮らししたい。

② 家庭を持つ弟は保証人拒否だが、気に入った物件の審査が通り、契約となった。1週間後に入居の予定。

3.親の介護で離職し再就職を希望する40代男性

① 母親の介護のため退職したが、3カ月前に母は他界。家賃が高かったので現在は姉宅に同居している。再就職を望んでいるが難しく、一旦生活保護を受け、住まいを決めてから改めて就職活動を再開したいとの意向。生保は近々出る予定。

② 生保も決まり、気に入った物件の契約まで進んだが、鍵も渡されているのにかかわらず連絡が滞った。

③ その後、県営住宅に当選していたことが判明。契約書も出来上がっていたため、管理会社から違約金を請求された。

4.台風被害で室内から青空が見える借家に暮らす高齢者

① 平屋6軒長屋に住んでいたが、数年前の台風で大きな被害を受け、すでに4軒は空き家となった。大家に修理を依頼したが埒が明かず、お風呂は大金を払って自費修理した。夫と息子はすでに他界、娘は県内に家族と住んでいる。台風が怖いので引越ししたい。

② 体調は思わしくないが、仕事を続ける必要があるので、自転車で通える範囲を希望され、2件目で審査も大家の承諾も得ることができた。

③ 引越しの段取りをした翌日、県営住宅に当たったわかり、

5.DVで離婚 子供二人と共に実家に戻った鬱の女性

両親はゴミ屋敷と化した実家を売却したい
① 最初は支援する法人からの相談であったが、後に家族からの相談となった。暮らしが一変して耐えられなくなった母親は既に家を離れて遠方で暮らし、父親は母宅と自宅を行き来している。父は家の売却を考えている。転居の必要がある女性は、幼い時に凄惨な現場を目撃したことがトラウマになり、その後DVを受けたこともあって鬱状態になっている。子供は成人した女子と10代後半の男子。二人とも精神障害があり、特に長男は音が嫌いで一人ではどこにも行けない。

② 父が一人で家を片付始めているが2~3年を要する見込みだという。それでは再出発する気が失せてくる心配もあるので、できるだけ早く片付けたほうが良いとアドバイス。仕事を辞めている長男に片付の手伝いをしてもらい、少しでも早く家を片付けることになった。

③ 少しでも早く新しい住まいを探し、長男が通える送迎付きの就労先もあたることになった。

6.借地に建つ借家の退去を示唆された80代女性

① 地主は宗教法人、家主は認知症の様子が見受けられる女性と、高齢のため子息が代理人となっている高齢女性の2人(他にも共同名義人がいる可能性あり)。家主の間の話し合いが済んでおらず、家を売却するとの発言もあったが、それはできないことだと説明した。家を取り壊して地主に返却する約束になっていると家主は言っている。

② 地主からの立ち退きはまだ言い渡されていないので、立ち退きを言い渡されても、少なくとの半年間、できれば1年間の猶予をもらえるよう交渉することを進めた。その間に公営住宅への申込を行うよう勧めた。また、ほかの家を探してほしいと申し出ることも勧めた。

③ 建物の賃貸借契約書には転居費用は支払わないと明記されているので、その旨を伝えた。

7.骨折して入院したが 退院しても帰る場所がない高齢女性

① 二度の離婚を経験し、二度目の元夫とは内縁関係を続けている。最初の夫との間には子供が二人いる。内縁の元夫が要介護5になり病院から戻るのは難しくなった。元夫が借りていた家のエアコンが故障し、止む無く廉価な旅館で暮らし始めたが、誤って転倒し骨折。入院したが退院後の住まいがない。病院の相談室で関係者を交えて相談した。

②・暫定的に日割りで借りられる所に入る(荷物は担当包括が運ぶ)
・生活保護を申請 → 認可された
・数件内見し気に入った物件申し込むも審査通らず → 連絡つかず
・連絡つかないため訪問し大家から苦情を聞く → 退去通知
・市の担当課と共に訪問し家探しは同課が行うことになった
・その翌早朝 警察から保護して送り届けたとの連絡あり

8.認知症になり 騙されて高額の借金を抱えてしまった元医師

① 昨年末までリニックを営んでいたが、脳梗塞で左麻痺に。歩行には杖が必要となり、認知症も発症した。加えて、悪徳業者に騙されて大きな借金を抱えてしまい自己破産した。家賃が高いため転居が必要。20年前に離婚してから一人暮らし。相談者は元妻で、息子が3人いる。転居については元妻に一任されているが、長男が借主、元妻が保証人となる予定。認知症の影響ですぐに忘れてしまうため、金銭管理が心配。

② 内見した2件のうち1件が気に入って申し込み、成約となった。転居後はリハビリに特化したデイサービスも利用する予定。

③ 引越後の状況確認に伺ったところ、残念ながら一人で亡くなっておられた。

9.アパート取り壊しで新居を探す若年性認知症の女性

① 現在住んでいるアパートが取り壊しになるため、来年6月までに退去しなくてはならない。若年性認知症の診断を受けている。ADLには問題なく、まだまだ新しい暮らしに適応できそうなので、もう少し在宅生活を続けてほしいと長女は望んでいる。荷物が多いので、この機会に断捨離する予定。

② 長女、ケアマネと共に最初に内見した物件が気に入り、即座に申し込みをした。かつて住んでいた地域で、長女も近くの学校に通い、近くの公園でよく遊んだとのこと。本人も近隣の地理をしっかり覚えている。引越の3社見積もりをはじめとした種々手続きには長女が関わりスムーズに運んだ。

③ まだ専門医の受診をしていなかったため、精神障害者手帳を取る段取りやそのメリット(利用できるサービス等)を説明した。

10.子の暴力から逃れるため転居を希望する高齢者

① ほかで物件探しをしたが希望を無視した対応であったため、改めて当方への依頼となった。複数回服役したことがある息子が自宅に押し掛け、刃物で脅されたり、暴力を振るわれたりしている。現在、再び逮捕されて拘留中。着替え等は届けたが、以降は連絡しないよう警察に伝え、出所時の身元引受も断った。転居後の住所は伏せる。母は日本人で日本名をもっていたが、親類が勝手に外国籍に変えた。永住権はないが、元々日本人なので定期的に法務局で手続している。

② 内覧2件のうち1件が気に入り申込、成約。鍵渡し、引越し共に日程が決定した。

③ 鍵渡しの日を伝えようと架電したところ、体調不良で食事もとれない様子。翌日、電話にでないので市の担当課に連絡し、コロナ陽性が判明。保健所からの電話には出ず、保健所も市担当も自宅訪問はしないため、当方担当が感染対策をして訪問し、生存を確認した。数日後本人より連絡があった。市担当課に連絡するよう伝え、転居後の住所変更で、息子に住所が伝わらないように手続きを手伝うことを報告した。

11.立ち退きを申し渡された高齢者

① 住まいである文化住宅を解体するため立ち退きを告げられた。現在2部屋を借りており、うち1部屋は荷物置場となっている。すべての荷物を収める必要があるので、立ち退き期限まで、まだ時間があるが探し始めた。希望条件は2つ、荷物全部を入れられることと、世話になっている訪問看護の方が通える範囲であること。

② 信頼する訪問看護師と物件を内見。希望に沿った戸建物件だったので申し込み、成約となった。

③ 市担当者と今後について話し合う。風呂とトイレは住宅改造(人生いきいき80年助成を利用)する。

12.金銭管理ができない高齢女性

① 今より家賃が安い所に引っ越したいとの相談。自宅の3LDKには、うず高く荷物が詰まっていた。子息によると、金銭管理だけではなく片付や服薬もできないとのこと。すべての断捨離を実行する必要がある。まずクレジットカードの整理を手伝い、種々の問題に取りくむことになった。

② クレジットカードがリボ払いになっていたため、リボ払いを止めて毎月返済に変更。家賃滞納になって強制退去などを招く心配がないよう施設に入ることも決まった。気に入った施設が見つかり、少し問題があったものの入居が決定した。

 

戻る