• 特定非営利活動法人あんじゅうサポートクラブ

令和3年度 事例集

①相談概要  ② 回答、アドバイスなど  ③ その後

1.自力で賃貸借契約締結に漕ぎつけた精神障害がある30代男性

① 関西の大学を卒業後、関東で就職。10年前に統合失調症を発症し、9年前に関東から戻ってきた。精神手帳2級、障害年金受給中。現在父親が生活費を出してくれているが、父が高齢になってきたため、少しでも父の負担を減らしたいと、住まいの見直しをすることになった。作業所等の就労はしていない。現在、洗濯は母親が毎日担ってくれている。

② 18件内覧したが、気に入った物件が見つからなかった。今後の生活定着支援のための面談し、相談支援事業所との面談に同行した。結果、※自分で交渉のコツをつかんで探した物件で成約となった。※ 交渉時「現在休職中で職探ししているが、知り合いの会社に就職する予定である」と管理会社等に伝えたため。

③ 新居入居時には相談支援員をつけ、障害サービスで掃除・洗濯等を手伝ってもらうことが最善と思われる。

2.退去を求められた知的障害がある40代男性

① 物音がうるさいという住民の苦情で退去を求められた。退去期限は次の物件が見つかるまで、と住民も不動産屋も了承してくれている。相談者は高齢の母親。

② 知的障害があるため、本人が求める住まいを見つけるのは、なかなか難しかったがやっと気に入った物件が見つかり申し込んだ。しかしその後、県営住宅に当選した。

3.若年性認知症の失業中男性

① 妻とは別居中、母と借家住まいしているが、母とは不仲なので精神的に不安定となり独居を希望。障害者手帳、精神手帳がある。現在失業集で、失業保険はあと半年ぐらいある。障害年金受給の手続きもしており、数カ月後には受給権がもらえる予定。難病や狭心症などそれぞれにかかりつけ医が生活困窮した際には生活保護申請も予定しているので、生活保護でも可能な家賃の物件を希望。

② 希望する物件が見つかり転居。引越から、その後の生活支援まで、種々機関と協力してサポート体制をえた。

4.父親を気遣い近所での独居を選んだ精神障害がある50代女性

① 関東で暮らしていたが、鬱の症状が悪く、父の家に戻ってきた(西宮市内市営住宅)しかし高齢の父に迷惑をかけたくないので独居したい。生活保護申請を予定。高齢の父が来訪しやすいよう近場で探したい。

② 高齢の父が訪問しやすい、生活保護受給後も利用可、作業所から近い、ヘルパー利用もしやすい、生活至便で通院にも利便性がある、という希望通りの場所に移ることができた。生活保護申請をはじめとした諸手続きに同行。その後、障害相談所と共に生活の様子を確認したが、順調に暮らし始めており、訪問看護の利用を希望された。

5.被害妄想が激しい高齢女性

① 姉の暮らしを心配する妹さんからの相談。かなり酷い被害妄想があるので介護申請をしたが、主治医意見書を記入してもらえず延び延びになっている。介護認定申請の現況を確認した結果、ほかの病院にかかることした。

② 妹さんに同行し医師に事情を説明。一般賃貸住宅に入るのは難しいと思われるため、サ高住も視野に入れて探すことになった。しかしその後、本人が「元気になったので受診しないし、生活保護も受けない」と明言。地域包括に妹さんと出向き説明したうえで長い目で見守ることになった。

6.DV被害を受けている高齢女性

① 突然の来所。次女、その子2人と同居しているが、折り合いが悪く別居したいとの相談。DV被害を受けている(市の情報)。次女に、家賃補助するので別居して欲しいと頼んだ が聞き入れられず、自分が出ていくことを決めた。高齢のため賃貸契約が難しく、市に 相談して当方を知った。

② 数件内覧、気に入った物件があり手続きに入った。しかし本人から、家族の同意が得られないため一旦保留にしてほしいとの電話あり。数日後、来社の上、家族の理解を得られず再度保留にしてほしいとの申し入れがあった。

7.老人ホームを自主退所した70代女性

① 娘さんの勧めで老人ホームに入ったが、どうしてもなじめず退所。金銭的に逼迫していたため友人宅に世話になっていた。しかし生活保護の申請をするには独居であることが必要であるため、急遽物件探しとなった。

② 紹介した物件が気に入り急ぎ申し込む。審査も通り、友人が緊急連絡先となって3日後に契約。友人らの手助け等もあり、スムーズに引越しも完了。生活保護課の生活環境チェックがある予定

8.長期入院中の50代女性

① 精神科に長期入院中。統合失調症をはじめとした持病があり、両股関節の人工関節置換術も受けている。父は他界、入院中の母と本人は、それぞれ後見人として弁護士がついており、PASネットとの関わりもある。姉と兄(海外在住)がおり、現在居住する家は母名義、住宅は子供3人が所有している。本人は帰宅を希望しているが、周囲は日常生活の営みは困難だろうと判断している。

② 本人に泣きわめく特性があるため、賃貸居住は難しいだろうと判断。いろいろ検討し姉兄が自宅に居住することに異論はないため、自宅をバリアフリー住宅に改造することになった。将来的にはリースバック等、様々な対処方法があることを伝えた。

9.身体障害があり住みよい所をさがす元経営者の高齢男性

① 心臓機能障害。妻とは離婚。現在URに住んでいるが隣人から嫌がらせを受け、いろいろ相談したが対処してくれる所はない。今後の生活のため、もう少し安価で嫌がらせされない所に移りたい。

② 数件内覧したが適当な物件は見つからず。URには“住み替え制度”があることをお伝えしたところ、同エリア内で空きが出た場合は転居できることになったとの連絡があった。

10.精神障害で鬱状態の30代男性

① 双極性障害。現在は鬱状態のほうが多い。親族は母のみ(連帯保証人可)。現在は車の往来が激しく騒がしい場所にすんでいるので、静かな所で暮らしたいとのこと。最上階、角部屋、1階など周りを少しでも囲まれていない部屋を希望。以前、ほかの不動産屋にお願いしたことがあるが、気に入った所は見つからなかった。

② 本人が探した1件を含み8件内覧をしたが満足いくものがなかった。しかし、最初に見た物件の夜間騒音状況を確認したいとの申し入れがあり夜間に複数回確認を行った。結果、審査をとったこともあり最初に内覧した物件を契約した。

11.両親と別居したい発達障害の30代女性

① 発達障害でひきこもり。両親と同居しているが、どうしても折り合い悪く一人暮らしをしたい。以前、ほかの不動産屋で探してもらったが審査が通らなかった。

② 相談初日に数件内覧するも、非常にこだわり強く長時間を有した。その後納得する物件が見つかり契約。引越しも完了した。

③ 相談支援員との面談に同席し、引っ越し後の生活支援を依頼する。

12.ダウン症の息子と二人で暮らす高齢女性

― 3カ月後にアパート取り壊し―
① 市の担当課からの紹介。息子は30歳。夫は10年前に他界。本人の老齢年金と息子の障害年金で生活している。2人の娘様はそれぞれ独立している。住まいであるアパートが取り壊しとなるので、3カ月以内に転居しなくてはならない。ほかの不動産屋に相談したがうまくいかなかったとのこと。ただ、対話中に理解困難な被害妄想的発言があり、受診歴等を尋ねたが受診歴なしとの回答であった。

② 内覧の結果、気に入った物件があり申込。管理会社より、本人との契約は難しく、娘様との契約としてもらいたいと連絡あり。娘様の理解を得て申し込むことができた。管理会社の審査通過し、オーナー審査の結果待ちとなっている。

13.視力障害があり階段が危ない高齢者

① 現在住んでいる部屋は2階。エレベーターはなく、階段は急。外出時に危険を伴うため転居したい。一人親方であったためか人の好き嫌いが激しく、ヘルパーさんが長続きしないが、有償ボランティアさんは引き続きお願いしたい。

② 最初に内覧した分譲賃貸物件が気に入ったが審査通らず。しばらく後に内覧した物件が気に入り申込。審査が通り契約となった。契約、引越しのための段取り、引越し業者の3社見積等はT不動産が手配。

③ 同行援護の事業所を紹介した。

14.脳梗塞を乗り越えた妻との暮らしを見直す高齢男性

① 脳梗塞発症後、入院、リハビリ、老健と1年頑張った妻が戻ってくるので、安心して暮らせるように住まいを整えたい。現在の家は3階だがエレベーターはない。本人も脊柱管狭窄症等で妻の介護は難しい。

② 1日も早く家に戻りたいという妻のため、則入居可能な物件を選び申込、審査等の段取りに入る。同時に、ケアマネ事務所の紹介も行った。デイサービス、往診Dr、福祉用具・住宅改修業者、訪問看護などにもつないだ。その後審査も通り、引っ越しも終了した。

③ 引っ越し後の様子を見に行った。

 

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